「 江戸の街では、ごみはどこへ行く? 」
2025年9月5日
今こそ学びたい、花のお江戸のリサイクル社会

「江戸時代に、ごみなんてあったの?」
そう疑問に思う人も多いはず。
でも実は、江戸の街は人口100万人を超える、当時でも世界有数のメガシティでした。
当然、街のごみ問題も深刻でした。
ところが!
当時の人々は、今では考えられないほどエコでスマートな「ごみの循環システム」を作り上げていたのです。
江戸の初期は、ごみも“そのへん”に!
1600年代、江戸幕府開府直後の江戸には、空き地がたくさんありました。
家庭のごみは、庭に埋めたり、焼いたりする程度の方法で処分していました。
ところが時が経つにつれ、江戸の街はどんどん拡大し、人口は爆発的に増加し、街中の空き地もほぼゼロに!
すると江戸の人々は、川や堀にごみをポイっ…。
当然、水が汚れ、川船の交通の邪魔になり、漁にも悪影響を及ぼすようになりました。
江戸の街のごみは、大問題に発展します。
幕府が動いた! 江戸版ごみ回収システム
そこで幕府は「町ごとにごみ溜め(集積所)を作れ」と御触れを出しました。ごみを決まった場所に集めれば、指定のごみ処理業者が回収・処分してくれる仕組みを整備したのです。
出典:環境省 廃棄物・リサイクル対策部 「北斎風循環型社会之解説」
リンク先URL:https://www.env.go.jp/recycle/3r/approach/hokusai_jp.pdf
ゴミを回収した処理業者が向かう先は、隅田川の河口「永代浦」。
ここが、当時の“最終処分場”です。
そしてこのごみ…なんと永代浦の埋立に活用されました!
いまの江東区の一部は、江戸時代のごみでできているんです。
ごみが土地に、土地が畑に、畑が町に。
江戸のごみ処理は、現代に通じるものがありました!

江戸の人々は「捨てることなく、使い切る」
でも、江戸時代のすごさは、ごみの回収システムだけじゃありません。
最大のポイントは——
そもそも、捨てるごみの量が圧倒的に少なかったこと。
なぜか?
それは「もったいない」精神が生活に根付いていたから!
壊れたら直す。
使い終わっても、再利用する。
古くなったら、誰かに譲る or 売る。
何度も、何度も、何度も……とことん使い倒していたのです。
ごみが経済を回してた!? 江戸のリサイクル職人たち
江戸の街では「モノを捨てる前」が“商売”になる!
江戸の街には以下のような“専門職”たちが、活躍していました👇
▶ ① 職商人(しょくあきんど、しょくしょうにん)
傘や鍋、桶などを修理してくれる職人さん。
「壊れた=捨てる」ではなく、「直してまた使う」が当たり前。
▶ ② 再生業者
古布をわたに戻す、古紙を再生して和紙にする。
資源を「素材レベル」で再生する技術者集団。
▶ ③ 屑屋(くずや)
現代の“資源回収業者”に近い存在。
紙くず、金属、古着、灰…なんでも買い取って販売ルートへ。
捨てる前に誰かの手に渡る。
江戸のごみは、社会に循環することで“価値”になった。
ごみじゃない!? 驚きの再利用(リサイクル)ネタ
江戸の街では、今ならごみ扱いされるものも貴重な“資源”。
- 灰 → 洗剤や肥料、陶器の釉薬(ゆうやく)に
- ロウソクの芯 → 再加工
- 古着の布 → ぞうきん、綿、紙に
- 金属のくず → 再鋳造
江戸の街には、ちょっとした金属の破片や、布くず、紙屑でも無駄にせず、何かに変えて使う知恵がありました。

江戸の社会に学ぶ、現代のサステナビリティ
「直して使う」「捨てる前に再利用する」——
江戸の暮らしには、現代のSDGsに通じる知恵がたくさん詰まっています。
いま私たちの周りには、モノがあふれ、なんでも簡単に“使い捨て”ができる時代を、生きています。
しかし、その裏では埋立地が不足するなど、ごみ処理に関する問題も発生し、環境負荷も拡大しています。
江戸の人々は、資源の少ない時代でも、
ものを活かす工夫をして、社会全体で色々なものを循環させていました。
江戸時代の知恵こそ、今の私たちの社会にとって“一番のヒント”になるのかもしれません。
まとめ:未来のヒントは、300年前の町にある

江戸の人々が作り上げた循環型社会は、単なる「古い暮らし方」ではありません。
それは環境を守り、自然と共存する“未来型の生き方”だったとも言えます。
モノを大切にする。
ムダに捨てない。
社会全体で資源を回す。
現代の私たちも、江戸の時代の知恵を少しだけ取り入れてみませんか?
💡江戸時代は「ごみ」さえ、無駄にしなかった。
今こそ、“もったいない”の原点を見直す時です。